電子書籍の個人出版・販売ができるサイト・サービスの比較まとめ

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個人でも気軽に、お金をかけずに電子書籍を出版できます。個人出版できる主なサイト「Amazon」「楽天kobo」「Google Play」「Apple Books」について、印税(ロイヤリティ)や、対応するデータ形式、データ容量、最低販売価格、無料で販売できるか?などの条件を詳しく比較します。公式ヘルプへのリンクもあるので参考にしてください。

電子書籍は個人でも出版・販売できる?

電子書籍は、個人でも無料で気軽に出版できます。

必要な情報を入力して、あとは本のデータをアップロードするだけの簡単操作です。売上の一部を手数料としてサイトに支払えば、その他に費用が発生することもありません。

販売されるには審査を通過する必要がありますが、「基準が厳しい」ということもなく、規定さえ守っていればOK。個人でも気軽に本を出版できる時代になったわけです。

本のデータはどうやって作る?

電子書籍のデータは、実は誰でも簡単に作ることができます。

マンガなら画像データ、小説なら、原稿のテキストデータを用意し、それを電子書籍データの形式に変換すればいいだけです。

データ形式の種類はいくつかありますが、すべての販売サイトに対応しやすい「EPUB」がおすすめ。ほとんどの販売サイトに対応できるため、複数のサイトで同時に販売するのに便利です。

マンガをEPUBにする方法については、以下のページを参照してください。

画像やテキストをEPUBに変換できるおすすめアプリ・ソフトまとめ

ISBNコードは必要?

どのサイトも、ISBN番号は必須ではありません。(根拠:Amazonヘルプ, 楽天koboヘルプGoogle Playヘルプ, Appleヘルプ

ISBNコードとは「国際標準図書番号」のことで、本を識別するための世界共通の番号です。ISBNを取得するには申請が必要で、1件あたり税抜き8000円の費用もかかります。

電子書籍の登録をする際にISBNコードを入力する欄がありますが、入力しなくても出版可能です。

値段は無料でもOK?

Amazon以外のサイトでは、電子書籍の価格を無料に設定できます。Amazonだけは「KDPセレクト」にしないと無料にできません。

KDPセレクトに登録するには、前述の「独占販売」にする必要があります。しかも、期間限定の「無料キャンペーン」というしくみのため、「ずっと無料」にはできないようです。

電子書籍の個人出版・販売ができるサイトの比較表

横にスクロールできます
サイト名 ロイヤリティ 無料販売の可否 最大データ容量 最低価格 対応データ形式
Amazon 35%( 一定の要件を満たせば70%) 650MB 99円(250円) EPUB、MOBI、DOC/DOCX、PDF など
楽天kobo 45%(一定の要件を満たせば70%) 100MB 80円 EPUBのみ
Google Play 52%(一定の要件を満たせば70%) 2GB EPUB、PDF など
Apple Books 70% 2GB EPUB、IBOOKS など

表のサイト名をクリックすると、それぞれの詳細説明にジャンプします。

すべてのサイトで同じ価格で販売する場合、「最低価格が一番高いサイト」に合わせることになるので「99円」が1冊あたりの最低価格ですね。

最大データ容量については楽天koboの「100MB」が最低です。すべてのサイトで同時に販売するには電子書籍のデータ容量が100MB以下になるように注意する必要があります。

100MBあたり何ページまでいける?

フルカラーのマンガで、およそ250ページ

最大データ容量を比較するうえで気になるのが「何ページで何MBになるか?」という点でしょう。

例えばカラーマンガをEPUB形式で出版する場合、1ページの画像サイズが1200×1600pxなら、1ページあたりのデータ容量は、多く見積もっても400kBほど。

つまり100MBあたり、少なく見積もっても250ページぐらいは可能です。

Amazon Kindle 個人出版の特徴

ロイヤリティ 35%( 一定の要件を満たせば70%)
無料販売の可否 △(条件あり)
最大データ容量 650MB
最低販売価格 99円(250円)
対応データ形式

ロイヤリティを70%にする条件

Amazonでは、「一定の要件を満たせば」ロイヤリティ(印税)が70%になります。

要件の一つは「独占販売」です。これは「この本はAmazonでしか売りません」という契約を交わすこと。

つまり「独占販売して70%のロイヤリティを、Amazonだけからもらう」か、あるいは「Amazonのロイヤリティが35%になってもかまわないので、色々なサイトで販売する」かのどちらかということですね。

独占販売にしたけど、やっぱり他のサイトでも売りたいと、後から変更することも可能です。

無料にできるのは「一定期間」のみ

Amazonでは無料での販売が可能ですが、期間限定の「無料キャンペーン」というしくみのため、「ずっと無料」には設定できません。

無料キャンペーンを設定するには「KDPセレクト」に設定する必要があり、そのためには前述の「独占販売」にする必要があります。

ただしマンガ限定ですが「インディーズ無料マンガ」としての公開はできます。

最大データ容量・販売価格の注意点

Amazonで販売する本のデータの最大容量は650MBです。

日本の「Amazon.co.jp」ではなく、海外のAmazon(Amazon.comなど)で販売する場合には、データ容量の大きさごとに、最低販売価格が異なることがあるという点も把握しておきましょう。

日本の場合はデータ容量と関係なく最低販売価格は一定で、35%のロイヤリティなら「99円」で、70%なら「250円」です。

出版までの手順・登録方法

Amazon は、出版するためにアカウントを設定するのが少し大変です。アメリカの税金に関する情報を入力する必要があるからです。

出版までの手順については、以下の記事を参照してください。アカウントの登録編と作品データをアップロードする出版編に分かれています。

Kindleで電子書籍を出版する方法―KDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)登録方法・手順 Kindleで電子書籍を出版する方法―KDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)登録方法・手順

自作のマンガを電子書籍で出版する手順―アマゾン KDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)

楽天Kobo 個人出版の特徴

ロイヤリティ 45%( 一定の要件を満たせば70%)
無料販売の可否
最大データ容量 100MB
最低販売価格 80円

ロイヤリティを70%にする条件

楽天koboでのロイヤリティを70%にするには、本の販売価格を「299円」以上にする必要があります。

無料販売について

有料の最低価格は80円ですが、価格を「無料」に設定することも可能です。

出版までの手順・登録方法

楽天koboは国内のサービスなので、アカウント作成が比較的簡単です。詳しい手順は以下の記事にまとめています。

自作のマンガを電子書籍で出版してみた方法・手順―「楽天Koboライティングライフ」編

Google Play Books 個人出版の特徴

ロイヤリティ 52%( 一定の要件を満たせば70%)
無料販売の可否
最大データ容量 2GB
最低販売価格 99円(0.99USD)

ロイヤリティを70%にする条件

日本でのロイヤリティは基本52%ですが、アメリカやヨーロッパなどの海外への販売については70%です。

無料販売について

販売価格を「0」に設定でき、無料での販売ができます。あらかじめ設定したスケジュールに沿った「期間限定無料」としての設定も可能です。

出版までの手順・登録方法

実際にマンガの出版をした手順を、以下の記事にまとめています。こちらもアカウント設定編と、出版編

Google Play Books (グーグル・プレイ・ブックス)で電子書籍を出版する方法―アカウント設定編 Google Play Books (グーグル・プレイ・ブックス)で電子書籍を出版する方法―アカウント設定編

Google Play Books (グーグル・プレイ・ブックス)で漫画の電子書籍を出版する方法

Apple Books 個人出版の特徴

ロイヤリティ 70%
無料販売の可否
最大データ容量 2GB
最低販売価格
対応データ形式

無料販売の条件

Apple Books で本の価格を無料にするための条件はありません。公式サイトには以下のように説明されています。

No limitations on offering free books to customers(顧客に無料の本を提供することに制限はありません)

引用元:Apple Books for Authors

出版までの手順・登録方法

Apple Books で販売するには、まず「iTunes Connect アカウント」を作る必要があります。実際にアカウント作成してみた流れを以下の記事にまとめているので参考にしてください。

電子書籍を個人出版する方法―Apple iBooks(iTunes Connect)アカウント設定編 電子書籍を個人出版する方法―Apple iBooks(iTunes Connect)アカウント設定編

電子書籍のデータを登録する方法は、Macユーザーだけが使える「iTunes Producer」というソフトを使う方法と、オンラインの「Apple Books パブリッシングポータル」を使う方法の2種類があります。後者ならWindowsユーザーでもOKです。

詳しくは以下の公式ヘルプを参照してください。

まとめ

上記4つのサイトの特徴をふまえると、同じ価格で同時に販売するには以下のように設定することになります。

  • 価格:99円以上
  • データ容量:100MB以内
  • データ形式:EPUB

EPUBの作り方については、以下の記事を参照してください。

画像やテキストをEPUBに変換できるおすすめアプリ・ソフトまとめ